『これから』、そして『その先も』ジャズピアノをやるために必要なこと。

ジャズピアノを教室で習いましたと言っても・・・

あなたは、ジャズピアノと聞いて、どのようなことを連想されますか?

たとえば、キース・ジャレットのようなソロピアノでしょうか?

それとも、オスカー・ピーターソン・トリオのようなピアノ演奏ですか?

それとも、マイルス・デイビスなどの枯葉のようにフロントが入った演奏ですか?
ここでいいたいのは、ジャズピアノといっても、それぞれに求められる役割、演奏する内容が違うということをまず知ってほしいのです(特にこれからジャズをやりたい方へ)。

ピアノは音域も広く、シンプルな片手からダイナミックな両手のバッキング(和音などをタイミングよく入れる)までできるし、左手で低音部のベースライン、右手ではメロディラインなどいろいろできます。小さなオーケストラともいえるくらいやろうと思ったらどこまでもできてしまう楽器です。
ソロピアノやピアノトリオの演奏なら、自身がテーマのメロディもピアノがやりながら、左手でバッキングなどをします。
これはフロントなどバックに他の楽器がいるとテーマのメロディはフロントが担当するので、ピアノは演奏のサポートとしてバッキングが中心となります。

特にセッションでは、トリオ形式というより、かなりな確率でフロントがいることが多いので、テーマのメロディはフロントがやりますから、ソロピアノやトリオでのように右手でメロディを弾く必要がありません。

そのため、よくピアノ教室でジャズピアノを習っている方は、ソロピアノ、トリオ(発表会向けの)での演奏には慣れているけれど、フロントがいる場合には右手は何をやるの?どういうようにやればいいの?ということがよくおこります。

一言でジャズピアノといっても、何をやるのかによってやること、習うことが変わってくるのです。

フロントがいる場合が多いセッション。ピアノにとって何より重要なことは?

フロントなどがいる場合のピアノの役割は、まずフロントが心地よく、のびのびと演奏できるサポートをすることが大事になります。

いいコンピング、またセンスがいいコンピング。それもテーマのメロディを演奏しているとき、フロントがソロ(アドリブ)をとっているときでも演奏の状況によってコンピングの仕方は変わってきます。

フロントの人はメロディや自身のソロが終われば後は演奏していませんが、ピアノ、ベース、ドラムは最初から最後まで演奏しています。リズムセクションといわれ、曲を支えている重要なパートなのです。そしてその中心がピアノにとってはバッキングです。

どうしても、ジャズといえば、誰もがかっこいいアドリブができることに注力がいきがちですが、ピアノの人には特に、セッションなどではいかにうまくバッキングをするかということに意識をもっと向けていただきたいと思います。

つまり、こういうこと。↓
ソロイストのテーマ&ソロでのバッキング> ピアノのソロ(アドリブ)

なのです。

そしてバッキングにおける音の選択の中で、ベースとの関係も出てきますので、そこの音にも配慮ができること。(これも長くなりますのでまた次回に)
とにかく、セッションでは、一緒にセットに入るメンバーは、ライブなど打ち合わせやリハーサルがあるようなものと違い、その場で初めての組み合わせのケースも多くなるので、どのような演奏をするメンバーかわからないまま、その状況を読みながらバッキングをするということも対応していく必要がありますが、演奏経験を重ねることによって段々と対応力はついていきます。

セッションでの困ったちゃんピアノにならないために

先もいいましたようにどうコードを押さえるか、どのタイミングで入れるか、この良し悪しがフロント奏者の演奏に影響を与えるので、その役割はとても重要です。
しかしながら、初心者ほど余裕がないため、演奏すること自体に意識が集中しがちで、俯瞰的に演奏をみれていないケースも。ある意味、セッションで困ったちゃんな状況になるピアノのケースが以下のようなものです。

・フロントがどんな演奏をしていても同じパターンでずっとバッキングしている
・とにかくこれでもかというくらいびっしり音の入ったコードでバッキングをする(フロントは息苦しい)
・ペダルを多用している(残響音)
・ベースソロに入ったとたんずっとバッキングがずれてるのに気がつかない(意外と多いです)

などということをやってしまいがちです。(長くなるので詳しくはここでは解説しませんが)

そして、ジャズピアノらしい音の響き、いいタイミングのバッキングはソロイストのモチベーションを上げるのですが、明らかに間違ってコード弾いているだろうという響きが時折聴こえてくるのも、耳のいいソリストにとってはイライラするものなので、なんちゃってバッキングで来た人もどこかのタイミングで、きちんとコードの押さえ方についてを考えることをオススメします。。

この他、ベースとかぶるルート音の扱いや、ギターなどの同じコード楽器がいる場合の演奏についてなど、さまざまな状況でいい演奏をするためのちょっとしたルールにも気を配る必要があります。

そこでピアノにオススメしたいワークショップは?

いろいろ大変だなと思われるかもしれませんが、第一歩はセッションのためのピアノの基本を理解することにつきます。

まず、セッションがこれからという方には、バッキングやピアノの人がやるべきことを中心に学ぶ『セッションのためのジャズピアノ入門(現在、ジャズピアノアンサンブル基礎』をオススメします。
これは最低限、ここだけは理解した方がいいというコンピングの基本について解説します。教室ではトリオとかソロピアノが中心だったので、よくわからないという方にはここをオススメします。

そして、セッションを少し経験してきている人には、アンサンブル全体からみたご自身の演奏を第三者的な視点で把握することがいいようい思います。そのオススメは『岡崎好朗さんのアンサンブル強化ワークショップ』と、外谷東さんの『セッション・パフォーマンス・レッスン(現在は、外谷先生の実践アンサンブルワークショップ)』です。

困ったちゃんにならないために、もしくはもっとフロントの人のモチベーションを上げられるピアノについて具体的なアドバイスをいただきけますよ。

ピアノは自由度の高い半面、他の楽器に比べて大変ではありますが、それだけにしっかり役割を認識して、必要なポイントをしっかり理解することで、遠回りをしなくてすむので、ぜひ頑張っていってください。

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