【初めてのジャズ理論9】セカンダリードミナント
セカンダリードミナントとは、7つのダイアトニックコードに対してそれぞれの完全5度上にあるドミナントコード(◯7)のことです。
ダイアトニックに向かう引力をもった全部で7つあるドミナントコードです。
キーが Cの時ダイアトニックコードは、
CM7 Dm7 Em7 FM7 G7 Am7 Bm7-5
セカンダリードミナントはそれぞれの5度上の
G7 A7 B7 C7 D7 E7 F#7
度数にすると
【Ⅴ7 Ⅵ7 Ⅶ7 Ⅰ7 Ⅱ7 Ⅲ7 #Ⅳ7】になります。
セカンダリードミナントの分類
セカンダリードミナントは、2種類で分類します。
5度下の解決先のダイアトニックコードの3度の音が、
メジャー(3)に解決するものを【△マーク】
と
マイナー (♭3) に解決するもの【□マーク】
例
キーCでA7の時
ダイアトニックコードのDm に向かうと想定されるので
【□マーク】分類
キーCでD7の時
ダイアトニックコードのGに向かうと想定されるので
【△マーク】分類
セカンダリードミナントのスケール
セカンダリードミナント(◯7)の5度下の解決先のコードが使えるスケールを【△マーク】の時はメジャースケールと想定する
例
キーCで、D7のとき
D7はGに解決すると想定(解決先は3和音で考えるとわかりやすいです)↓
G メジャースケールを想定する↓
D7でGメジャースケールを弾く↓
D7のルートからGメジャースケールを弾く↓
これがD7のとき使える
D mixolydian scale (1-2-3-4-5-6♭7)です。
△マークのときmixolydian scale(mix)
(1-2-3-4-5-6-♭7)
【□マーク】の時は
クラシックの基本の3つのマイナースケールの中から
◯ハーモニックマイナースケール
(1-2-♭3-4-5-♭6-7)(和声的短音階)か
◯メロデックマイナースケール
(1-2-♭3-4-5-6-7)(旋律的短音階)
の2つのどちらかに想定します。
×ナチュラルマイナースケール自然短音階は
(1-2-♭3-4-5-♭6-♭7)
♭7の音がコードと合わなくなるので使いません。
【□マーク】
ハーモニックマイナースケールを想定の場合
例
キーCでA7の時
5度下の解決先のDmの時のスケールをハーモニックマイナースケールを想定↓
D ハーモニックマイナーをA7で弾く↓
A7のルートからDのハーモニックマイナー↓
A harmonic minor perfect 5th below
(1-♭2-3-4-5-♭6-♭7)
(ハーモニックマイナー パーフェクト フィフス ビロウ)
これにスケールが滑らかに聞こえる(#9の音を足して(HMP5B)+(#9)
✳︎(#9)=(#2)
(1-♭2-#2-3-4-5-♭6-♭7)で覚えるのをオススメしてます。
【□マーク】
メロデックマイナースケールを想定の場合
も同様の方法で
mixolydian(♭6)scale(mix(♭6))
(1-2-3-4-5-♭6-♭7)
✳︎(♭6)=(♭13)
が導きだせます。
✳︎追記
【□マーク】が、comdim scale やAltered. Scaleなどに発展していきます。
スケールを導き出すステップ(→の方向)表
まとめ(大事なポイント)
Step-1
セカンダリードミナントを見つけること
キー(調性)に対して
【Ⅴ7 Ⅵ7 Ⅶ7 Ⅰ7 Ⅱ7 Ⅲ7 #Ⅳ7】
Step-2
2セカンダリードミナントを2種類に分類すること
【△マーク】
【(Ⅴ7)(Ⅰ7)(Ⅱ7)】
【□マーク】
【(Ⅵ7)(Ⅶ7)(Ⅲ7)(#Ⅳ7)】
Step-3
分類により、そのとき使えるスケールをわかること
△(三角)マークの時は
mixolydian scale (mix)(1-2-3-4-5-6-♭7)
【□マーク】の時は
Hmp5b scale+(#9)
(1-♭2-(#2)-3-4-5-♭6-♭7)
mixolydian(♭6)scale (mix(♭6))
(1-2-3-4-5-♭6-♭7)
のどちらかを(その時のメロディーや好みで)選びます。
12キーで練習しておくと、セカンダリードミナントで迷わず演奏出来るようになります。
探したスケールから使えるテンションも解ります。
【△マーク】【(Ⅴ7)(Ⅰ7)(Ⅱ7)】の時
テンション(2-6)=(9-13)
【□マーク】【(Ⅵ7)(Ⅶ7)(Ⅲ7)(#Ⅳ7)】の時
テンション (♭2 ♭6)=(♭9 ♭13)
か
テンション (2 ♭6)= (9 ♭13)
セカンダリードミナントの分類とスケールを探しだせるようにして下さい。