田鹿雅裕アンサンブル道場での出来事

5月18日(日)に開催されたアンサンブル道場ですが、ちょっと印象に残ったことがありましたので、ご紹介します。実は、今回初めて参加されたピアノの方のことです。実はその方は3カ月前に、うちの個人レッスンでジャズピアノを始めた方です。

もともと、ボーカルもされていた方ですが、ジャズピアノはコードのこともあまりご存じない方でした。まさにここでの経験が初めてという感じでした。1曲を三か月練習されて、その日初めてアンサンブルを体験されました。

しかし、堂々としたもので、途中危ないところもありましたが、なんとか田鹿さんに一緒に演奏していただいて、曲を演奏されました。

わずか3カ月でしかも、レッスンではドラムとベース(ピアノの斉藤先生の)でアンサンブルっぽい練習はされていたものの、当日は、オーディエンスもいた訳でその中で、無事(しかも先生のアドリブアドバイスに従ってカッコいいアドリブされていました)演奏されたので、思わず、先生と私はうるっと来てしまいました。

実際は、セッションという方は少ないかもしれませんが、演奏中はお互いにアイコンタクトでコミュニケーションをとるということまではできませんでしたが、この経験は大きいと思います。

私は以前、まだまだセッションで自信のないときにベテランのサックス奏者に私のアドリブはパスということを自分の順番を飛ばして欲しいと演奏の中で合図したことがありました。
後から、そのサックスの方に言われたのは、この一回の演奏をするかしないかで天と地の差ができる、だから怖気づかないで演奏をするべきだ。そしてアドリブは自分が聴いてきた音楽の全てが演奏の引き出しになる。それをただ表現するだけだと。衝撃でした。

彼女が演奏したのは練習してきた1曲だけでしたが、その日来て演奏することを最後まで迷っていたそうです。そして、勇気を振り絞って参加されたのです。

1曲ではありますが、勇気を出して、そして最高のミュージシャンである田鹿さんと演奏をした、この経験は何にも勝る経験です。慣れるための初心者のセッションもいいのですが、本物と一緒にやった経験は、彼女にとっても財産になるはずです。

そうしたことを思った一日でした。

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