マイナー(短調)の曲が苦手という人は、日本ではマイナー!?
日本人はマイナーな曲が好きな人が多いという話を以前に聞いたことがあります。
例えば、昭和の流行歌がヒットした時代。
曲は大部分がマイナーな曲であって、メジャーな曲は少なく、
それらは日本ではなぜか、ヒットしなかったといいます。
そして、海外ではヒットしないマイナーの曲が日本で大ヒットしたという話もあります。
ということは日本人の多くはマイナーの曲が好きなのかもしれませんね。
雅楽も国家もマイナーということは、どこか国民性があるのかも。
そんな日本でも、やはりマイナーの曲が苦手という、マイナー?な人も意外と多いもの。
特にジャズではちらほら耳にします。
ジャズには、マイナーの曲だけでなく、マイナーとメジャーが混在しているセッションで
よくでる曲、Love For Sale 、What Is This Thing Called Love、 In A Sentimental Mood
などもあります。
まずは、苦手という前に、マイナーとメジャーってどういうことというおさらいをしてみましょう。
マイナーが苦手という意味がわかってきますよ。
●調号の数は同じで始まりが違うだけで、構成音は同じなメジャーとマイナーの関係。
調号というのは、譜面の左についているbとか#などのキー(調)を示すものです。
Cのメジャースケールは、ドレミファソラシドですが、ここにはbも#もひとつもありません。
Fなら、bがひとつでファ ソ ラ シb ド レ ミ ファ となります。
さて、同じ調号のメジャースケールを、短3度下から始めると
そのまま、その始まりの音からのマイナースケールとなります。
例えば、ド(Cの音)から始めるCのメジャースケール は
ドレミファソラシド です。(アルファベットにすると=C D E F G A B C )
そのスケールで起点になるドの音の短3度下(3つ下)は
ラ(つまりAの音) です。
ですから、ラから始めるとこれはAマイナー(Am)のスケールとなります。
ラシドレミファソラ です。(アルファベットにすると=A B C D E F G A )
メジャーとマイナーは調号も音も同じ構成だけれど、その違いは始まる音だけ。
そのため、同じ調号をもっているメジャーとマイナーの関係は
並行調と言われています。上と下のスケールは始まりが違うだけ。
並行調を考えれば、メジャーを覚えれば、ある意味、マイナースケールも紐づくのです。
このマイナーのスケールをナチュラルマイナーといいます。
●マイナーには3つのスケールがある。
例えば、上のメジャーやマイナーに使われている音階は、ダイアトニックと呼ばれますが、
例にとった、このCメジャースケールは、1つのダイアトニックスケールしかありません。
しかし、Am(Aマイナー)スケールには、3つのダイアトニックスケールがあります。
上で説明した、
・ナチュラルマイナースケール(上記で説明したスケール)=ラシドレミファソラ(Aのマイナー)
のその他には2つ。
・ハーモニックマイナースケール(7番目の音を半音あげる#させる)
・メロディックマイナースケール(6番目と7番目の音を半音あげる#させる)
が加わります。
だから、マイナーの曲を演奏する際には、同じマイナーのスケールでも選択枝が3つ
あることになります。
なぜ、その他の二つのスケールがでてきたのかというと、ナチュラルマイナーでは 七番目と八番目(ソラ)は、音の間が全音となってしまうため、終わった感じがしない ということで七番目のソを♯しました。
それが、
・ハーモニックマイナースケール ⇒ ラシドレミファソ#ラ (Aのマイナー)
メロディックマイナースケールはさらに、もっとなめらかに聴こえるように
ファとソ#の間隔を、6番目のファの音を#にして、上行になるときはこれを使います。
(下行では、ナチュラルマイナーで)
こんな感じ。
・メロディックマイナースケール ⇒ ラシドレミファ#ソ#ラ (Aのマイナー)
ちなみに、これはAのメロディックマイナースケールですが、このAから
始まるメジャースケールを見てみてください。
・Aメロディックマイナースケール では、ラシドレミファ#ソ#ラ (Aのメロディックマイナー)
・Aメジャースケール では、 ラシド#レミファ#ソ#ラ (Aのメジャースケール)
よくみると
3度の音、ドかド#の違いなだけ。
Aのメジャースケールの3度の音をb(フラット)させれば、メロディックマイナーになります。
そうやって考えていくと。。。
というように、どんどんつながっていきます。
眠れなくなりますよね。
このように苦手な理論は、シンプルに考えていけますよ。
という訳で、
マイナーの曲が苦手という方は、
ぜひ、
●12月2日(日)10:30~12:30 セッションの曲をどう料理する~アドリブが見えてくる曲分析
をチェックしてください。
今回はセッションで良く取り上げられるマイナーキーの曲、Autumn L eaves、 Beautiful Love、
Alone Together、等が題材です。
また、メジャーとマイナーが混在している曲、Love For Sale 、What Is This Thing Called Love、 In A Sentimental Mood等を取り上げます。