演奏を上達するのに必要な”ジャズ耳”を鍛える!
時間のない社会人にとって、必要なことを優先しない勉強の仕方は、
上達にはほど遠く、時間がいくらあっても足りないのではないでしょうか?
◆上達するのになんでそんなに遠回りしているの?
私たちは、上達するのに遠回りしていることが往々にしてあります。
例えば、英語。これって、中学、高校合わせて6年とか、大学入れて10年もやっていますが、多くの人が、リスニングやスピーキングが苦手と悩んでいますね。
例えば、What are you doing?
というフレーズ。この簡単なフレーズですが、それを日常の英会話で聴きとれないケースがあるのではないでしょうか?
えっ、こんな簡単なフレーズでと思うでしょう。
では、このフレーズをスピーキングしてみてください。
英語が苦手という人は、多分、これを、
ワット アーユー ドゥーイング?
みたいにスピーキングしたと思います。
これ、ネイティブにとってはとても聴きとりずらいものです。
英語にまず聴こえないのです。
では実際には、ネイティブはどういうかというと、
ワラユー ドゥーイン?
みたいな感じ。
最初の例は、学校教育的な英語です(今の教育は違うかもしれませんが)。
多くの人が日本語のアクセントで一音一音言葉にしているのですが、
手を叩いてみると、上のワット アーユー ドゥーイング?は
【学校教育的な英語】
ワット(手拍子)/アー(手拍子)/ユー(手拍子)/ドゥーイング? (手拍子)
というような感じです。
反対に
【ネイティブ英語】
では、こんな感じ。
ワラユー(手拍子)/ドゥーイン? (手拍子)
つまりWhat are youがリエゾン(連結されて)ひとつの塊となっています。
でも、これってリエゾンを知っていると、なーんだ ということなんですよね。
知っているだけで、英語を聴きとる耳(英語耳)が格段に違ってきます。
◆ジャズではジャズ耳を作ることが上達の早道
ジャズも同じなんです。
”ジャズ耳”を鍛えることが上達に必要です。
ジャズをあまり聴いたことがないという方は、ジャズらしい響きがよくわかっていないみたいです。
あるピアノの先生が、和音を押さえて、ジャズらしい音に慣れてくると、どんなハーモナイゼーションがいいか段々と分ってくるということを話されていました。
もちろん、ピアノだけでなくこれはジャズを演奏する楽器の人、全てに当てはまります。
まずは、ジャズらしさを聴きとる”ジャズ耳”を作ることが、上達の上では大事なのです。
”ジャズ耳”にもいくつかの要素がありますが、一番はジャズらしい音の響き。
でも、大人がものごとを学ぶには、子供と違ってある程度、頭で理解する必要があります。
素直に音を感じる子供と違って、上記英語のように、どうなってこの音ができているのかを理解しながら、音を感じるプロセスがないと、大人では、なかなかとらえられないようです。
これは、その他の分野の学習についても、大人の学習と子供の学習の違いからくるものです。
主にジャズ特有の響きは、様々なテンション音(ベーシックコード音などの安定した音に対し、緊張感などを出す音)でできるのですが、このことはジャズを構成する上でとても重要な知識になります。
私たち大人が学ぶには、その響きをまず聴き、体で感じ取っていきつつ、それと知識を一緒にしていくことが必要です。
そうすることで、脳の回路がジャズ耳にスイッチしていくはずです。
今回(11月)の『ジャズ理論2~頭と体で理解するジャズ理論』のワークショップでは、そうしたジャズの響きに感応するのに必要な”テンション音”について取り上げていきます。ぜひ、チェックしてみてください。
詳しくはこちらで。