【セッションで演奏される曲3】All The Things You Are 君はわがすべて
All The Things You Are 君はわがすべて
作詞 Oscar Hammerstein II/作曲 Jerome Kern 1932年
1939年ミュージカル「5月にしては暑すぎる」の中の一曲でしたが興行的には失敗。
その後このミュージカルは『ブロードウェイ・リズム』という映画になり、そのオープニング・クレジットの音楽として使用され、当時人気のあったトミー・ドーシー楽団、アーティ・ショー楽団などで演奏されるようになりヒットしました。
ジャズ・ミュージシャンの中でもチャーリー・パーカーはこの曲を好んでよく演奏したといいます。
『チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアルvol 2』の「バード・オブ・パラダイス」は All The Things You Areです。
ブルーノートの名盤『ブローイング・セッション』ではジョニー・グリフィン、ハンク・モブレー、ジョン・コルトレーンのテナ-サックスの熱いバトルが聞きものです。
パーカー、ディジー・ガレスピー、バド・パウエル、マックス・ローチなどがそうそうたるメンバーが集結した『ジャズ・アット・マッセイホール』での演奏、ピアノのキース・ジャレットやギターのジョー・パス、、テナー・サックスの巨匠ソニー・ロリンズなどなど名演奏をあげているときりがないですね。
1999年NYのヴィレッジ・ヴァンガードでのブラッド・メルドーのライブ録音、『アート・オブ・ザ・トリオ Vol.4:』の7拍子の演奏は斬新でとてもスリリングです。
普通のスタンダードは32小節ですがこの曲は36小節、転調が多くアドリブ心をそそられる曲でもあります。
定番のイントロとエンディングを演奏するミュージシャンも多いですね。
ちなみにこのイントロ、パーカーがラフマニノフのプレリュード「鐘」からインスピレーションを得てつけたとか。