■今後のカリキュラムと予習&復習情報

ジャズピアノステップアップ練習会へご参加いただいた方への予習&復習のサイトです。これから数か月でセッションのための最低限のピアノの基礎知識を身につけ、演奏の基礎体力をつけていただきます。そのために、まず必要なステップは大きく分けて3つです。

①伴奏=コンピング(第1、第2ではジャズのリズムも)、②アドリブ(第3、4、5)、③イントロ&エンディング。これを順にやっていくことで、全体像がわかるので、そのノウハウをいろいろな曲に応用してきましょう。

とにかくジャズは、できるだけ多く曲を演奏する中で覚えていくことが大事です。曲の資料は4曲。各Stepでこの曲を取り上げていきますので、資料をダウンロードして見開きファイルに入れてください。

<各曲の資料の使い方>

comping①・・・左手だけの簡単なコンピング資料(伴奏)。右手アドリブの時、または入門者の方はこれを覚えます。基本は、 3と7の音 、つまりコードのルートの音から数えて3番目と7番目の音※ が、コードの性格を決定づける音です。コードを見ただけですぐに弾けるようにしましょう。

※C(ド)では、Cから数えて三番目のEか、Eb、そして七番目はBかBbというように。

comping②・・・両手のコンピング資料。曲のメロディ部分で弾く少し複雑な資料。3度と7度の音にテンション(ジャズらしい緊張感のある音)を加えたものです。
できれば、どの音が何度の音かをコード毎に確認し入れてください。

ベース・・・ベースはジャズの演奏の土台になる役割です。基本コードの1度、5度の音、他のコード音、経過音などが使われます。メトロノームに合わせて正確に音を出していきます。(これはその回で課題曲では必ず演奏していきますので練習しておいてください)

【第1~2回】コンピング編

【Step1】 #1コードの押さえ方(1月・7月)

伴奏については、曲全体を通して必要となります。中でも重要なのはコードです。コードを瞬時にみて、その構成の音を理解できるようにしたいものです。Step1 の曲●F Blues●Bye Bye Blackbird)

練習①>
●最初はスケールにおける3度と7度の音(左手)が押さえられるようにしてください。(音域によって、1つのコードでもAフォーム・Bフォームの2つのパターンがあります。)Conpimg1

<練習②>
●左手だけの場合はアドリブの伴奏とフロント楽器(サックスが入る場合の伴奏(両手)と変わってきます。ここでのコードを弾くタイミングは曲資料のように単純に頭に全音(白玉)で入れる練習をしてください。

<練習③>
●一応弾けたら、ツーファイブのところをマーカーなどで分かるように囲んでください。これはジャズでよく出てくるコード進行になります。ここで指ひとつ変えるだけで押さえる方法を覚えておくとその後とても楽です。
上記ダウンロード資料は片手でのものです。このコード進行と同じく、comping②譜面から両手の押さえ方を資料をもとに、別の譜面に抜き出し、それを手癖になるように覚えていきましょう。

【Step2】#2伴奏のリズム(2月・8月)

ジャズの伴奏(コードを弾く)タイミングは、いくつかのパターンがあります。リズム例に沿って練習していきましょう。ジャズは裏拍が重要となります。Step2 の曲●酒バラ●Fly Me To The Moon

<練習①>
●当日資料1P目のリズム例に沿って、①から➄のパターンで手拍子をして、入れるタイミングを確認してください。この時、必ずメトロノームをつかってください。(最初はゆっくりのテンポ100くらいから徐々に速度をあげていきましょう)

<練習②>
●次にコードを押さえる練習をします。当日資料2P目は、1P目のリズム例②のパターンを4小節のもの、2小節にしています。これを練習します。

注意点・・・ブル—矢印は、次のコードを先取りして弾きます。つまり、前の小節の4拍目裏に、次の小節のコードが前倒しで入ります。これはグルーブ感を出すのにとても重要です。

まずは、練習のコードを使って”D-7(Dm7とも表記します)、G7、E-7(=Em7)、A7”を練習していきましょう。これは循環コードといってジャズでよく出るコード進行です。

参考音源:コードとリズム①

<練習③>
●次に、実際に曲の4小節、2小節単位で抜き出し、そこがスムーズに演奏できるように練習していきましょう。ベースラインを4小節単位などでメトロノームも使って録音し、それで手がなじむまで練習します。慣れたら、同じく曲全体のペースラインを録音し、そのカラオケを使って全体を通しで練習してみます。

参考音源:コードとリズム②
参考音源:酒とバラの日々演奏
音源:FlyMeTotheMoon演奏

来月の2曲をコンピングのみ練習してください(片手バージョン<Conpimg1>、両手バージョン<Conping2>)。なお、譜面の音源はあくまで一例です、余裕があれば、ご自身で自由にリズム、押さえ方を工夫してみてください。

第3~5回アドリブ編(3月・4月・5月)・(9月・10月・11月)

アドリブにはいろいろなアプローチがあります。まずは演奏曲でさまざまな演奏者による音源を聴き、好きな演奏者の演奏をイメージしてください。耳コピができるとさらにいいですが、まずはアプローチで簡単なものから順にアドリブのやり方を学んでいきます。

【Step3 】#3簡単なアドリブのアプローチ方法

Step3の曲●酒バラ●Bye Bye Blackbird ( ●Fly Me To The Moon )

今回のポイント

①メロディフェイク(曲のメロディを使ってのアドリブ)

♪リズムを変える(音符の長さ、音符の数など)

♪アプローチノートを加える(ターゲットになる音の半音上から、半音下から、上下からアプローチする)

♪コードの音などを使う(例:アルペジオとして)

②ペンタトニックスケール、ブルーススケールでコードに関係なく自由に演奏(資料参照)

ペンタトニックスケール

●今回の2曲のアドリブ例(上記要素を入れて)

酒バラのアドリブ例(主にメロディフェイク)
バイバイブラックバードのアドリブ例

【今回の練習方法】①メトロノーム120くらいの速さにして、各曲のベースを弾いたものを録音してカラオケを作ってください。2-コーラス分の長さで録音します。

②次にそのカラオケに合わせて、今回のフェイクによるアドリブをやっていきましょう。まずはひとつずつ。1.リズムだけでのアドリブフェイク、2.アプローチノートをいれてみる、3.コードの音をあらかじめ、確認していれてみる、4.ペンタトニックスケールやブルーススケールをつかう。5.すべての要素をいれてみる。

③左手は、つけられたらつけてください。右手である程度アドリブができるようになった段階で合わせてみましょう。まずは、ベースを聴いてどこにいるのかを確認しながら、アドリブをやっていきます。

④曲はFのキーのもので、よく似たコードがでてきますので、酒バラ、ブラックバード、FlyMe~、ナウザタイムのうち、できる範囲でやってみてください。来月は、ナウザタイムは、ペンタトニック・ブルーノートスケールの音を使ったりします。毎日少しでもいいので練習してみてください。

【カラオケをつかった練習】上記のベースラインと少し異なりますが、一番下にカラオケ用の練習音源を用意いたしました。こちらは練習方法注意点をよく読んでお使いください。ベース音だけですので、どこを弾いているかわからなくなります。まずはカラオケで流し、何回かメロディを合わせて歌ってください。(ベース音と歌っている曲があっているかを譜面と耳で確認しながらやることがポイントです。ロストすることを防ぐ力を養うために必ずそのポイントは守ってください)

【Step4】#4コードやスケールからのアドリブ

今回は、スケールやコードについて学びました。その前の回では、もっとも初歩的なアドリブとして、メロディをフェイクすることでアドリブになります。

この考え方は、アドリブのひとつとなります。ジャズのボーカルの演奏の中に、かなり1コーラスをフェイクしたものがありますが、これなどは初心者にとってはとても勉強になるものだと思います。ただし、曲のキーは黒本と違う場合がありますので、そこは確認してください。

そのうえで、スケールとコードはそこからさらに重要となるアプローチとなります。ただし、スケールの場合はメジャーとマイナーが基本的に理解できると大丈夫です。

スケールを学んでも何を演奏したらいいの?となるかと思います。スケールの理解はとても必要ですが、あくまでその音がどういう意味を持つのかというために必要ですが、アドリブの場合には、どちらかというとコードの方をしっかり身に着けていただければ、アドリブしやすいかと思います。

コードは最初のところでやりましたが、3度と7度の音はコードのカラーを決める音ですのでここはしっかり覚えてください。

Step4 の曲●酒バラ(●Bye Bye Blackbird) ●Now The Time(blues)

【Step5】#5よりジャズらしい音使いによるアドリブ(5月・11月)

今回は、アドリブのアプローチのしかたのひとつを紹介します。ジャズの中で、ジャズらしさを出しているコード進行に着目したアプローチです。

例えば、コード進行でⅡm-V7-Ⅰ(ツーファイブワン)といわれるものがあります。このコード進行の中で、特にV(ドミナントセブン)のコードはテンションという音(ジャズらしい音)がいっぱい使われていたりします。このコード進行でのフレーズは、ジャズの曲でもよく演奏されますので、そのフレーズをいくつか学び使うことでジャズっぽい演奏になります。

私たちが英語を学ぶときを参考に考えてみてください。文を作るためには、まず単語を学びますね、その次が文章の構成、そしてその一部に慣用句などを使う場合があります。

これと一緒の考えです。例えるなら、単語は音のひとつひとつ。文章の構成とは、例えばコード進行のようなものです。そして慣用句は、よく出てくるコード進行で、そのフレーズパターン。このフレーズパターンをいくつか覚えてしまうと、アドリブ表現はとても楽になります。

この時に大事なのは、フレーズの音だけでなく、リズムを含むニュアンス(アーテイキュレーション)をまねて使うということです。

英語でCHECK IT OUTという慣用句がありますが、これを日本語読みのチェックイッツアウトというと多分、通じないし英語らしくないけれど、それをチェケラと発音すると英語として通じ、なかなかやるねとなります。

これと同じく、譜面に書いている音のリズムやニュアンスなども一緒に学んでいかなければ、ジャズらしくないというところのままになってしまいます。

そのために慣用句はとても重要です。ジャズもできるだけ、そうしたジャズらしく聴こえるフレーズを、アーティキュレーション(表現も含めて)いくつか手癖にしていくことで、アドリブにも慣れていきますし、ジャズらしさがどんどん増していきます。今回はその部分を解説していきます。

今回のテーマはこの課題曲を使ってこのアドリブアプローチの考え方の一つを学びます。

Step5 の曲 ●酒バラ●Fly Me To The Moon

第6回イントロ&エンディング

【Step6】#6イントロエンディングの基礎(6月・12月)

Step6 の曲 (●F Blues)●酒バラ●Fly Me To The Moon●Bye Bye Blackbird

◆ピアノ資料(伴奏についての事前資料)ダウンロード用

ピアノ伴奏(左手については)は、ご自身の押さえ方で大丈夫ですが、どうしても押さえ方がわからない方は下記にファイル(演奏の一例です)をご用意いたしました。必要でしたら、ダウンロードしてください。

●酒とバラの日々

酒バラ Comp1(簡単なコンピング)

酒バラ Comp2(少し難しめ)

酒バラBass (ベースライン資料)

●Fly Me To The Moon

Fly Me To The Moon Comp1 swing (簡単なコンピング)

Fly Me To The Moon Comp2 Swing(少し難しめ)

Fly Me To The Moon Bass (ベースライン資料ボサノヴァ)

Fly Me To The Moon Bass(ベースライン資料4ビート)

●Bye Bye Blackbird

bye bye blackbird Comping1 (簡単なコンピング)

bye bye blackbird Comping2(少し難しめ)