1.□音名
ジャズでは基本的に音名やコードに英語を使います。
ドレミファソラシド
はイタリア語で
これを英語表記にすると
CDEFGABC です。
ディグリー(度数)といって、
キー(ドレミファソラシド)に対する音の位置関係を数字で表すこともよく使われます。
(1-2-3-4-5-6-7-1)
コードを数字で表す時はローマ数字を使います
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
□(#や♭)をつける場所
◇数字で表すときの(#や♭)は 数字の手前につける。
(例) ♭3 ,♭7 など
表記の注意
・♭(フラット)をマイナス記号で書くこともある 。(例) (−3) (−7) など
・(#5)などは + と書かれている場合もある。
◇ローマ数字の場合も(#や♭)は、同様に手前につける。
(例) ♭ⅢM7 #Ⅳm7 など
◇英語の場合は(#や♭)は、後ろにつける
(例)C# ド# G♭ ソ♭ など
□音程
音程は二つの音と音の距離です。
ドの音から1オクターブ上のドまでを見た場合音程が以下の表になります。
音程は度で表します。
音程は半音の数で考えると簡単にわかります。
音-音 | 音程 | 半音の数 |
ド-ド | 1度 | 0個 |
ド-ド#(レ♭) | #1(♭2)度 | 1個 |
ド-レ | 2度 | 2個 |
ド-レ#(ミ♭) | #2(♭3度) | 3個 |
ド-ミ | 3度 | 4個 |
ド-ファ | 4度 | 5個 |
ド-ファ#(ソ♭) | #4(♭5)度 | 6個 |
ド-ソ | 5度 | 7個 |
ド-ソ#(ラ♭) | #5(♭6)度 | 8個 |
ド-ラ | 6度 | 9個 |
ド-ラ#(シ♭) | #6(♭7)度 | 10個 |
ド-シ | 7度 | 11個 |
ド-ド | 8度 | 12個 |
2.□ジャズの楽譜の読み方
□譜面と音の位置
最初にド の位置を確認しましょう。
・五線譜の下に1本線を加えた線上
・五線譜の上から2本と3本目の間
・上に2つ線を加えたところ
の3つのドの位置を知っておくと便利です。
□調号とメジャースケールの関係
調号は五線譜でト音記号などの次にかかれている調(ドレミファソラシド)を示すために書いてある♭や#の記号です。
♭や#の数を見ればわかります。
□演奏するときの譜面とリズム
クラシックの譜面は音符通りに演奏しますが、ジャズの譜面は自由に演奏するために簡単に書かれています。
リズムを変化させたり、そのリズムに乗りながら自由に演奏します。
リズムと同じように、メロディーも自由に装飾できます。
□拍子とリズム
⅜ ¾ 4/4 などの拍子は、
分母(下)の音符が分子(上)の数で1小節になるのを示しています
□拍子をしっかり数えれるように
しましょう
拍子をしっかり数えることで 曲で演奏している場所を把握できます。
初めのうちはアドリブをしたら 『どこを演奏しているかわからない』こともあると思いますが、拍をしっかり数える練習をすることで、どこを演奏してるのかわからないという事は解決できます。
□リズム
4分音符8分音符3連符16分音符までが分かると ほとんどの曲に対応できるようになります。
4分音符を一拍としたとき8分音符は二個 3連符は3個 16分音符は4個 になります。
メトロノームを60にあわせて叩く練習をしましょう。
以下4/4でのリズムの例です。
3.□コード表記
ジャズの譜面のコードでC△7 やC-7などの手書きのコード表記があります。
これは手書きだと大文字のMと小文字のmの区別が難しくなることがあるためです。ほかにもm7(-5)とdimコードで以下の表記を使います。
コード | 手書き表記 | 読み方 |
M7 | △7 | (メジャーセブン) |
m7 | −7 | (マイナーセブン) |
m7(-5) | Ø | (マイナーセブンフラットファイブ) (ハーフディミニッシュとも呼ばれる) |
dim | ⚪︎ | (ディミニッシュ) |
□オンコード について
C/E、 Am7/D、 G7onF
などのコードを
スラッシュコード(スラッシュドコード)、オンコード といいます。
分数コードと呼ぶときもあります。
◯/◯
◯on◯
このようなコードがでてきたときは
左側(上)がコード
右側(下)が ベース音(1番下で弾く音)の単音です。
□テンションの成り立ち
テンションとは スケールトーンの中で緊張感のある音で(9,11,13)などがあります。
ドレミファソラシドレミファソラシド
と上行するとしたとき
ドミソシレファラ と一個飛ばしで重ねると和音(コード)になる考え方で和音を作ると
①-2-③-4-⑤-6-⑦-8-(9)-10-(11)-12-(13)
14-15
1-3-5-7はコードトーン
9-11-13 はテンションといいます。
☆(15)で1と全く同じ音になるので13までが基本です。
9-11-13は 2-4-6 と同じ音ですが
9-11-13は1-3-5-7より上に乗せた音という考え方です。
□テンションを表記
(9,11,13)などのテンションは、
(9) のようにコードの見え方がややこしくならないようにカッコでくくりましょう。
なぜかというと
C#9 とC(#9) のように 違ったコードに見えてしまうことがあるからです。
□ジャズでよく出てくる基本のスケール
メジャースケールからできてるスケールで
よく名前が出て来るスケール
ドレミファソラシドを
2番めのレの音から始めると
レミファソラシドレ
になります。
これをドリアンスケールといってよく使われるので覚えておきましょう。
もう一つよく使われるのが
5番めの音のソから始まる
ソラシドレミファソ
ミクソリィディアンスケールと呼ばれてよく名前が出てきます。
4.□曲の構成
ジャズの曲は 基本的に
AABAのようなセクションで出来ているテーマ(メロディーの部分)を1回演奏した後テーマと同じ長さを アドリブ(インプロビゼーションとも言う)を何回も繰り返した後、もう一度テーマ(メロディー)を演奏した後にエンディングに進行します。
A Bなどのセクションは8小節で作られていることが多いです。
テーマに入る前に、イントロもつけるので基本的には
イントロ-||:A-A-B-A :||エンディング
のように進行します。
テーマを演奏したあと、 ソロ(アドリブ)をいろんな楽器が順番にとっていきます。
どれだけのコーラス(テーマのサイズ)を演奏するかは自由です。 たとえばトランペット サックス 、ギター、ピアノ、ベース 、ドラムの編成のときはトランペットorサックス→ギター→ピアノ→ベース→ドラム というパターンが多いです。
セッションなどでは人数が多いと
ソロを短めにするなど、その場に合わせて演奏出来るといいでしょう。
エンディングでは rit(徐々にゆっくり)やフェルマータ(音を引き延ばす)なども 使われるので この辺りの音楽記号は覚えておきましょう。